CENTURY対談記事×坂東英二

重要なお知らせ

-はじめに、松本社長の歩みから伺いたいと思います。

 幼いころから、将来は経営者になるという漠然とした夢を持っていたようで、小学校の時の文集に『株式会社 MATCH』という社名を書いていました。当時はまだどんな業種かなどは決まっていませんでしたが、大人になってからその記憶をもとに現在の社名を決めたのです。

-小学校の文集に書いたことが現実になるとは、興味深い話ですね。実際に、社会人になられてからはどのようなお仕事に?

 最初に就いたのは、地元の観光ホテルです。フロントでの接客などを担当し、約5年間勤めました。その一方で20歳ごろから他社に就職した同級生たちが順調にキャリアを積んでいく姿に焦りを覚え、自分も何か変わらなければと思うように。それで、ホテル勤務の傍ら経営セミナーなどに足を運び、見聞を広めていったのです。

-小学生で社名を考えるのもすごいですが、20歳でそこまで考えられる人もなかなかいないでしょう。

 いえ、当時の私は未熟でしたし、セミナーで様々な方のお話を聞いて多くの学びを得ました。そしてホテルを退職後、為替や株式といったお金の構造に対する理解を深めるため、証券会社に転職しました。入社する前は、新聞などで株価の変動を見てもよく分からなかったので、最初は難しかったですね。そちらで勉強させていただいて外務員の資格を取得し、退職後はノウハウを生かして投資をするようになりました。そんな中で、今までとは違うことに挑戦したいという気持ちが湧いてきて、弟と共に学習塾を開校することになりました。弟は、ずっと塾の講師として勤めていたのです。

-本当に、それまでとは全く異なる業界に飛び込まれたのですね。

 学習塾の経営などは全くの未経験だったので、思った以上に大変でしたね。チラシも自分たちで作って、2~3万部のチラシが擦り終わってから必要な項目の記載漏れに気付いたり(苦笑)。仕方なく、最初の数カ月は1枚ずつ訂正文を切り貼りしていました。また、自社ホームページも自分たちで作成しました。見た目はそれなりのものが出来たと思ったものの、必要な知識が足りないまま作ったため、実は検索しても全くヒットしなかったのです
後から、色んな方に教えていただきました。

-最初は慣れないことが多く、苦戦されたのですね。では、こちらの塾の特色を教えていただけますか。

 当校は数学に特化した個別指導塾で、生徒2人につき講師1人というスタイルで授業を行っています。指導方針としては、苦手なところや躓いているところを見逃さないように、生徒一人ひとりとの対話を大切にしています。以前、私も子どもと共に、塾の見学や体験授業に行ったことがありました。その時私は、「何だか病院に似ているな」と感じたのです。たとえば、体の具合が悪くて病院に行ったとき、いくらお医者さんが凄腕の技術や知識を持った方だろうと素人の私たちにはわかりませんよね。多くの患者がまず求めているのは、医療知識よりも症状をじっくり聞いてもらい、不安を取り除いてもらうこと。しかし、塾の先生たちは勉強の悩みにあまり親身に耳を傾けてくれないと感じたのです。もちろん、先生からすれば1日に接する20人や30人の中の1人かもしれませんが、生徒たちは先生を頼って相談しに来ています。

-確かに、悩みをちゃんと相談できなければ、生徒は不安を抱えたままでしょうね。

 私たちの時代よりも、個別指導の塾は多くなりました。それに伴い、授業料も決して安い金額ではなくなっています。だからこそ私たちは、徹底的に指導のクオリティを高めていくべく日々勤めています。

-今後、どのような塾を目指していきたいとお考えでしょうか。

 ゆくゆくは、不登校の子どもたちが集まって学べる場にしたいと思っています。子どもを育てると特に、いじめなどの痛ましいニュースを見ると胸が締め付けられます。小学校や中学校でつらい思いをして、学校に行きたくない子もいるでしょう。ごく限られたコミュニティしか持たない子供たちにとって、それは世界の全てにも思える。しかし、実は人生においてはほんの一時の出来事だったりします。たとえ中学校に顔も見たくない子がいたとしても、高校に進学すれば会うこともなく、全く違う楽しい人生が待っているかもしれません。ですから、本当につらければ無理に通学する必要はないと思います。たとえ中学校で不登校になっても、学力さえちゃんと身に付ければ、高校に進学することが出来ます。いつか、そんな子供たちの背中を押す存在になれればと思います。